『ねー恭弥ぁ。』
『何?』
『なんかさ、最近毎日こんな感じじゃない?』
のせいでしょ。』

現、愛しの恭弥の家でございます。
私は恭哉のいれたココアを飲みながら、恭弥は雑誌を読み
ながら共の時間を過ごしてる!.....っていいたいんですけど
ね、そんなの言っている暇じゃないんですよ。

 

実は一昨日から雲雀さまの家に居候しております。

 

あ、如何わしいことは一切してないよ! 家出したの。だっ
てあのおうちにいると、ママンが煩いんです。最近雲雀君と
はどうなってるの?だの次のデートはいつなの?だの。
くだらない事聞く暇あるなら家事しっかりしてよ!って言って
出てきちゃった。 でもさすがママン。雲雀君の家に泊まる
ならママは泊めないわ!ずっと帰ってこなくていいわよ!っ
て、あなた一児の親ですか!?こんな可愛い娘が襲われて
もいいのっ!?って自分で想ったりもしたけど恭弥にはそ
んな期待は勿論ないのだから妄想は瞬時に閉ざされまし
た。 それとね、私凄い異常なほど寒がりなんです。でもで
すね。恭弥ケチなの。だから

 

『ねぇ、暖房つけていい?』
『もったいないでしょ。そこまで寒くないし。』

 

の一言。兎は寒いと死んじゃうんだぞ★って言うと何処に
そんな可愛らしい兎がいるんだろうね。って軽くスルー!酷
いよ! で渡されました、暖かいココアとカイロ2枚。これで
体を温めろと?彼女が風邪ひいたらどうするの!あ、カップ
ルで風邪っていいな。なんかいかにも私達大好き同盟★み
たいな感じで。

なぁんて想ってたらほんとに頭痛くなってくらくらしてきた。

 

『恭弥ぁ・・・・・。寒い・・・・・。』
『?どうしたの、・・・・?』
『頭...痛い....寒い.....』

 

おでこにおでこをゴツン。気持ちいいくらいに恭哉のおでこ
が冷たくて、『気持ちいい・・・』って言ったら、『、完璧熱
出てるから。が熱いだけって。』言った。
そのまま恭哉のベッドに寝かされたんだけどなんだか落ち
つかない。熱が上がるたびに勿論体温は上昇して、不安に
なっていってしまう。私の熱の特徴だ。薬を飲んだがなかな
か効かない。もっと、もっと不安になっていく。

 

、寝なよ。つらいでしょ?』
『やだぁ・・・・・・。』
『駄目だよ、早く寝なきゃ。』
『だって.....恭弥の顔見れなくなっちゃうもん....』

 

溜息一つに『仕方ないね。』って言って、恭弥は氷枕を取り
に自分の部屋を出ようとした。せっかく取りに行ってくれる
のに、私自らそれを止めてしまった。恭弥の服の裾を掴ん
で、本当は苦しくて吐きたい位なのに、『大丈夫だからぁ...
行かないでぇ』と。瞬時に恭哉の顔は赤くなる。耳までまっ
赤。

 

『ねぇ。そんなに僕が離れると不安?』
『すごく・・・・不安・・・・』
『じゃぁさ、こうしたら寝てくれるかなぁ。』

 

そう言って、恭弥は私をベッドから起こさせて、恭弥自身の
隣に私を座らせた。頭がボーっとして、何をしたらいいのか
分からない。

 

そもそも私が熱を出すと不安になるのは、変な夢を見るか
ら。
これはもう小さい頃からのお決まりのようなもので、内容と
しては『真っ暗な世界に一人だけになる。』とか『誰かを追
いかけてるのに追いつかないうえに場所が不明になる』と
か。いかにも幼い子が見て、怖かったね。って感じの夢な
のに、今でもそれがすごく怖い。現に夢の中で現れて追い
かける人とは、大抵がそのとき“好きな人”なのだ。だから
今熱を出すと、見る夢が恭弥と離れる夢。それが怖くて怖く
て、全然寝られない。いや、寝たくないのだ。

 

私をベッドから下ろして傍に座らせた恭弥はベッドから毛布
を引っ張り、恭弥自身と私に毛布をかけた。
一つの大きな毛布にくるまれた二人。ようやく状況に気づい
た私は驚きのあまり『きゃぁ!』と。
耳元で煩い兎だよ、と恭弥。 前にも私が熱を出した時に
さっきの夢のことを説明していたから気を使ってくれたのだ
ろうか。毛布の中で私を強く優しく抱きしめる。赤面になっ
た私は照れ隠しで『あったかい・・・・』なんて言ったけど恭
弥にはやっぱりばれてたみたい。『恥ずかしいの?』って。
そりゃぁ恥ずかしいよ。大好きな人とこんなにも近くにいる
のに。 熱のせいで潤んだ瞳、そして潤ませる涙を恭弥の
舌が上手く掬う。さっきからのことでビックリした要素は消え
ちゃったみたい。ありがとうって言って微笑んだ。
刹那彼は思い切り私を抱きしめる。彼の体温が心地よい。
耳元で甘く囁いた言葉。

 

?僕は何処にもいかないよ?だって大好きながいるもの。だから安心してよね。安心しておやすみ?大好きなが悪夢を見ないように・・・・』

 

すごく安心したんだ。 さっきから子供みたい。彼の言葉行動一つ一つに敏感に反応してないちゃうだなんて・・・・。
彼の優しさに答え、ふわふわした軽い気持ちに身を委ねて
私はそのまま眠りについた。

恭弥の言葉が寝ている間も頭から離れなかったせいか、怖
い夢とは反対に、優しい夢を見た。うろ覚えなのだけれど、
私が寝ている間にも、恭弥は私にキスをしてくれたみたい。
私が安心して眠れるまで起きていてくれたみたい。私って
こんなにも愛されていたんだぁって想った。

 

先に目覚めたのは私だった。恭弥は私の面倒でぐっすりと
眠っている。今度は私が恭弥を癒す番だよね?

 

 

寝ている大好きな彼の頬に優しくキスをしたのは私だけの秘密。

 

 

大好き宣言
(ねぇ、いつまでも私の恭哉でいてよね?)

 

 

 

大変恥ずかしくも、企画提出作品。
『恋とLinaria』様に提出させていただきました。
数ある他者の方がかかれましたすばらしい作品の中、
この夢を読んでもらい大変有難う御座いました!
とっても楽しかったです^^参加させていただき
有難う御座いました!

舞倉 繭