冷たい雨は心の奥まで染みこんでいく。


そんな気がした。


別に僕は雨が嫌い。という訳じゃない。

静か、という点では好きなくらいだ。



でも、僕の目の前で静かに涙を流すを見ると、

そんな気にはなれなかった。



「う...。ぐすっ。」


「ねぇ。いい加減泣き止んでよ...。」



ぽん、との頭に手を置きながら言う。
僕は、悲しんでいる大切な人を前にしても
これくらいのことしかできない...。



自分がなんだか情けない。と思った。




雨の音がいっそう強まってきた。
大粒の雨が大地を濡らす。


ポツリ、ポツリ。ホロリ、ホロリ。


なんだかこの雨がの涙みたいで...。


好きになれない。


「ねぇ。。」

「う...。な、んです、か?」


腫れた目と、キラキラ光る水の粒。


僕をまっすぐ見つめるの、瞳。


「僕は、君の泣き顔は、嫌いだよ。」

「嫌い...って言わない、で、下さい。」



僕がの事を嫌いとでも言ったと思ったのか...。

僕はまたを悲しませてしまったのかもね。

それでも僕は必死に言葉を探す。

に伝えられる僕なりの最高の言葉を。



「でもね。」



「笑った顔は大好き、だから。」



雨降り泣き虫


はやく笑ってよ...。

僕の大好きな...。





______
あとがきだったり...。

普段あんまり甘いの書かないので...。ちょっぴり心配です。

紅さま。素敵な企画に参加させていただき有難うございます。
さま。此処まで読んでいただき有難うございます。

それでは。
此処まで読んでくれたお嬢様方と紅様に感謝を込めて。

冴木  07/11/14