いつも通りの朝が来て、いつも通りの毎日が、



くるりくるり、



時計が指す時刻はくるくる回って、今日という時間を進めていく。
朝日が夕日に代わって、夕日が星降る夜に代わって、いつも通りが過ぎていく。
そして今日も朝一番にあの人に会いに行くんだ!


「お早うございます、雲雀さん」
「お早うとはいえないけど」

応接室にかかっているやたら高そうな時計は、午前9時半を指している、あらら。

「知ってます、よ」
「じゃあもっと急ぎなよ」

いや、確かに、遅刻だよ遅刻、と思って走ったりしないで歩いては来たけど、自分の教室には行かないでこっちに先に来たことに何か言って欲しい。

だってこんなにも、

「教室行けば、遅刻でしょ」

なんて、
開いている書類から視線を話さないで言う委員長様に、急に飛び膝蹴りをしたくなったけれど、今日のところはおとなしく教室に帰ってあげようじゃないか(悪役?)
いつも通りの朝なのに、いつも通りの雲雀さんなのに、貴方の態度には波があって、

それだけで、

「何の真似?」
「強いて言えば街中のバカップルの真似です」

ただ意味もなく、私はソファに座っている雲雀さんの首元に抱きついた。
鞄はドアの前に置き去り、私の心は自分の行動力に置き去り。
何をしているのだろう、私の手足。離せと命令してもびくともしないんだよ。

だから私のせいじゃなくて、雲雀さんのせい。

「それは随分うざったそうだね、」

でも、しかし、それは、結局、
雲雀さんがすきすぎる私のせい。


「でもばかみたいだね、

反転と暗転、
あんなに離れたがらなかった手が、腕が、貴方に掴まれるだけで、いとも簡単に離れていって、私は仰向けで雲雀さんの膝(腿?)の上にダイブ。
悪態を吐きたくなる程のきれいな顔で、うすく笑って、”ばか”なんて口にする雲雀さん。
石化が止まらない私を、その人は自分の膝の上に起き上がらせるように抱きかかえて、抱きしめる。
何だろうこれ、進行する石化に、速度を速める心臓音。

ああ、すきです。
頭の中が雲雀色。

「認めたくないけど、僕らはもうバカップルだよ、」

いつも通りの朝が来て、いつも通りの毎日がくるりくるり過ぎてゆく。

「だって、」

時計の針がいくら回って同じ時間を創り出しても、どうやら私達にいつも通りは存在しないようだ。


私達のすきという感情は、
日々成長している!




「君が僕をすきなように、僕も君がすきすぎるのだから」


回りたければ回ればいいの、


くるりくるり、






                             End.
                        2007.12.17.神九狐潤



雲雀恭弥が好きすぎる狐にはとてもにやけが止まらない企画です!
ありがとうございました!                   (土下座)